仕事を辞めたいなと思った時に効く、相反動機分析メソッド

あなたに”仕事を辞めたい気持ち”が生まれた時、ほぼ同時に“踏みとどまる気持ち”が浮かび上がってきます。仕事を続けるか、辞めるか。
頭の中がぐるぐるして苦しくなる瞬間があるはずです。
辞めたい理由があるでも、辞めない理由も同時に存在する。この「両方の気持ちが同時に動いている状態」は人として当たり前に起きます。このような状態が起きると人は”悩んでいる”と認識します。これは相反する動機がぶつかり合っている状態で、この状態を分析するためのメソッドが相反動機分析メソッド(OMM:Opposing Motives Method)です。
OMMは、このぶつかり合う2つの力を整理して、あなたが本当に進みたい方向を見つけるための手法です。
1. 人の心には必ず二つの力が同時に働く
あなたの中では、こんな力が動いています。
A:辞めたい力(離脱の動機)
- 上司と合わない
- 将来が見えない
- 成長している実感がない
- 評価が納得いかない
- 毎日しんどくてもう無理
この力は「ここから離れたい」というシンプルな叫びです。
B:とどまりたい力(残留の動機)
- 収入が不安
- 同僚とのつながりは悪くない
- 今まで積み重ねてきたものを失いたくない
- 転職活動が怖い
- 家族を養わないといけない
こちらは「まだ動けない/動かないほうがいい」という制止の力です。
この A と B は、良い悪いではありません。どちらも“あなたを守るための自然な反応” です。
2. 問題は「どちらの力が本音なのかが分からなくなること」
多くの人は、辞めたい気持ちと不安が混ざり合ってどちらの気持ちに従えばいいのか見えなくなります。
その結果、
- 毎日モヤモヤする、ため息が増える
- 判断できずに時間だけが過ぎる
- 感情が優先したり、逆に理屈だけで固まって動けなくなる
- 仕事のやる気に影響し始める
という状態に陥ります。どちらも本音、どちらも本心だから自分の気持ちに素直になれと言われてももやっとしたままで、なかなか解決に結び付きません。
3. OMMがやることは、あなたの“動機の地図”を描くこと
OMMでは、次の3つを一緒に行います。
① 辞めたい理由を書く
あなたの心を押している力をすべて拾い出す。
② とどまりたい理由を書く
あなたを引き止めている力を整理する。
③ それぞれに「重さ」と「属性」をつける
この工程で、
・本音
・恐れ
・習慣
・希望
などに分解されて「種」が見えてきます。
4. OMMがもたらすもの
このメソッドを使うと、多くの相談者がこう言います。
- 「初めて自分の気持ちの整理がついた」
- 「辞める/辞めないの2択じゃないことに気づいた」
- 「何から手をつければいいか分かった」
- 「自分の“軸”が見えた」
OMMが目指すゴールは、あなたを辞めさせることでも、辞めさせないことでもありません。目的はあなたが公開しない選択を、あなた自身の意思で決められる状態を作ることです。
5. キャリアは「選択の連続」。あなた自身が舵を握るためのメソッド
外部環境の変化、身近な変化、そしてあなた自身の変化。キャリアは常に変化の中にあります。安定して仕事を続けたいけどもこの変化があなた自身に選択を迫ります。そんな選択の時にあなた自身が自分で舵を握って前に進むときの、心の整理のメソッドです。
