キャリア・パスポートについて
文部科学省のインナー会議の資料によれば、「キャリア・パスポート」とは,児童生徒が,小学校から高等学校までのキャリア教育に関わる諸活動について,特別活動の学級活動及びホームルーム活動を中心として,各教科等と往還し,自らの学習状況やキャリア形成を見通したり振り返ったりしながら,自身の変容や成長を自己評価できるよう工夫されたポートフォリオのことである。なお,その記述や自己評価の指導にあたっては,教師が対話的に関わり,児童生徒一人一人の目標修正などの改善を支援し,個性を伸ばす指導へとつなげながら,学校,家庭及び地域における学びを自己のキャリア形成に生かそうとする態度を養うよう努めなければならない。
とあります。
そしてキャリア・パスポートの目的は同資料から「小学校から高等学校を通じて,児童生徒にとっては,自らの学習状況やキャリア形成を見通りしたり,振り返ったりして,自己評価を行うとともに,主体的に学びに向かう力を育み,自己実現につなぐもの。教師にとっては,その記述をもとに対話的にかかわることによって,児童生徒の成長を促し,系統的な指導・支援に資するもの。」
と明記されています。
しかしながら、多忙を極める先生方にこれらの活動にどれほどの時間を割くことができるのでしょうか?文部科学省の考え方は以下の通りです。
小・中・高等学校の新学習指導要領では、総則において、それぞれに、「児童生徒が、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう、特別活動を要としつつ各教科・科目等の特質に応じて、キャリア教育の充実を図ること。」について規定すると共に、特別活動においては、学級活動(3)「一人一人のキャリア形成と自己実現」を設けており、小・中・高等学校のつながりを明確にしたキャリア教育の充実を求めているところです。(出所:文部科学省初等中等教育局児童生徒課 令和4年3月改訂版「キャリア・パスポート」に関するQ&Aについて)
キャリア形成の為の教育
ところで文部科学省の求めているキャリア形成とは何でしょうか?TOMONI Careerでは、キャリア形成にはいくつかの段階があると考えています。まず、仕事や職業というものに対する知識の獲得の段階。この知識にはその職業の役割や必要な知識や技術のみならずその職業が求められる背景、他の職業との関係など社会の中での職業像を理解する段階です。社会の中でその職業が存在している意味を知ることで、その職業への関心や社会の関心が芽吹くことを期待できます。また社会の仕組みや学校での学習とどのようにつながりがあるのかという関心の範囲の拡大も期待できます。キャリア形成意識の地ならしと呼べる段階です。
地ならしが済めば、より現実的な職業に対する探究を進めることになりますが、人がある職業に就けば経験を重ねるごとに責任や役割が変わるのと同じく、1つの仕事に就くと一般には、未経験や浅い経験の段階から最後は引退というパスを経ます。TOMONI Careerではこのようなライフサイクル視点で職業に対する探究学習を2番目の段階と考えます。
そして、自分自身の生き方や人生のプランと遭遇する変化に対しての備えを考える段階があります。プランは自分自身が主体的に考えることができますが、遭遇する変化は全く予期しないものが多くあります。経済環境や社会情勢のみならず、自然災害のようなものあるいはきわめて個人的な家族の問題などがあります。それらに対応するためには何が必要か、どんな備えがあるほうがいいか、どんな知識を持っているといいか、誰に頼るかなどを学習し社会の様々な制度の存在に触れ、キャリア形成をより主体的かつ現実的に進められるようになる段階です。
自分自身の考え方を持ってキャリア形成に臨める児童・生徒たちは、学習意欲だけでなく周囲とのコミュニケーションの重要性、社会の中の自分の存在、周囲の存在を意識しそれぞれの特性に応じた積極的なコミュニケーションをとることにつながります。
TOMONI Careerのサービス
小中高校生にとってキャリア教育は極めて重要であるにもかかわらず、多忙を極めていて、十分な準備時間が取れない先生方に、TOMONI Careerではカリキュラム企画、作成支援を行います。学校の方針、学年別の学習計画など先生方のお考えをしっかりお聞きした上で対応します。